性的対象 (東京事変のアルバム風に)

必要ヴォルティスロボこと、つぃっ太のツイッターでのつぶやきを更に突っ込んで整理、発表したい時に利用しようと思います。 https://twitter.com/sangatukitijitu 主に 能年玲奈の事 あまちゃん他ドラマの事 ももクロちゃんの事書いてます。 

あまちゃん論 今と過去を遡る「時をかける少女」 (後、訂正する。)

あまちゃんが名作映画やドラマのオマージュ作品である事は周知の事ですが、登場する作品は周知のものよりとても多いと感じます。時をかける少女もその一つで、あのストーリーは実は時間旅行の物語でもあったのでは無いか。

 

私は理解不能のキャラクター、天野アキを岩手の座敷わらしと捉えてストーリーを見つめ直す事にしました。訳のわからないストーリーを何とか読み込むためのひとつの方便でしたが、これが実にハマる。非常にスッキリと荒唐無稽だったストーリーを読み治せる。

岩手の北三陸市とはつまり、イーハトーブの妖怪の国であり、あそこのキャラクター達は時間を忘れて面白おかしく生活している妖怪たち。そこに、跳ねっ返りの人魚姫だった、うっかり人間世界へ行ってしまった春子の娘アキがやって来て、地元の精霊と合体してユートピアの住人となる。彼女の能力は周囲の人を変えていく力。偏屈ものを明るく楽しくしていく力。彼女は変わらない存在(だからあんな訳わからん奴のままなんだ)であるが、彼女は幸せを周囲にもたらして周囲を変えていくのだ。そういうお話だ。そしてこのアングルは現実世界とリンクして見直す事で多重な意味を持つ

 

春子は永遠の楽園が疎ましくなった不良人魚であり、リアルには田舎から都会を憧れる少女の象徴である。彼女は不満なんですね、世界が。変わりたい。アイドルという手段を通じてここでは無いどこか、本当の自分になりたい。これはそのまま足立ユイに当てはまります。彼女は結局東京へは行けなかった。春子が1984年に北鉄開通という光によって破られた結界を、一瞬の隙をついて逃げ出したのとは対照的に、最後までイーハトーブの結界の中の妖精で有り続ける宿命でありましたが(これはクドカンが構想の時点で、一人そういう結局田舎から出てこない少女を加えることは念頭にあったようです)。

 

彼女たちは時をかける少女たち。1984年を端緒に現在社会を切り開いていく。しかし物語は過去の時点、2008年から描かれる。2011年のあの日までを描く。私たちの視点からは、やはり彼女たちもまた過去の存在である重層構造。そうか。この物語は重層する世界を多元的に見直す物語だ。キュビズムドラマだ。全ての小ネタや小道具たちは、意図的に流される誤った情報(ネット社会の情報の速さに本当に感謝します。私ではあそこまでストーリーに現れる画面上の矛盾や誤り、周到に用意された伏線を到底読み取れません)は、それを示しているのだ。

 

私的には時をかける少女という見立ては後に大きな転換を迎えます。しかし、この時点ではとても有効な切り口でした。そして以後私はこの視点で物語を読み解いていきます。楽しい雰囲気とカワイくてしょうがない能年ちゃんを愛でるだけのドラマでは、この頃なくなってきました。ドラマが楽しくてしょうがなくなっていったのです。

 

余録 前回、小泉今日子について、そしてあまちゃん世界の内包している黒さ、後ろ向きさに言及した時に怪盗ルビィについて教えてくださった方がいたのですが、そういうツッコミはとても貴重なのでもしよろしければまたお願いしますm(_ _)m  

※ 当該ツイッター貼ろうとしたら貼り付け機能が壊れました。つくづく使えねえ……

そんなわけで怪盗ルビィ、見たいんですよね。TSUTAYAかDMMのレンタル使おうか?